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『タコマ橋の航跡』−吊橋と風との闘い− のご紹介

 弊社の鳥海隆一を含む4人の技術者によってRichard Scott著の『タコマ橋の航跡』−吊橋と風との闘い−の日本語翻訳版が出版されました。
 この4人はいずれも本州四国連絡橋公団において長大橋の建設に携わった技術者であり、その知見が十分に活かされたものとなっています。
タコマ橋の落橋以来、世界の吊橋に関する技術的発展とそれを支えてきた技術者たちの努力が読み手側に伝わってきます。是非、ご一読ください。


おめでとうございます!!

『タコマ橋の航跡』−吊橋と風との闘い−
   
目次
1. 嵐の始まり
2. 発見された新たな確信
3. プレートガーダーの吊橋
4. タコマナロウズ橋の出現
5. 困難なタコマナロウズ橋の再建
6. アメリカでの縮小
7. 偉大なる二人の遺産
8. ヨーロッパでの再建と技術革新
9. 新しい発想
10. アメリカの時代の終わり
11. 箱桁時代の到来
12. 箱桁−課題、政治、そして疑似箱桁
13. スカンジナビアでの実績
14. 日本の著しい躍進
15. 流星のごとき中国の台頭
16. 新たな吊橋−近い将来
17. 超長大支間吊橋の耐風安定性
18. タコマナロウズ橋の遺産

原著:In the wake of Tacoma、リチャード スコット、ASCE PRESS
翻訳:勝地弘、大橋治一、鳥海隆一、花井拓
出版社:三恵社、価格:3,255円

 1940年、当時、世界で3番目の長さを誇った吊橋、タコマ橋がわずか毎秒19mの風で崩れ去った。この時まで橋梁技術者は、ツタのロープを使った稚拙な構造から工夫を重ね、より長い吊橋建設を可能とすることに夢中になっていた。そして、その努力の成果としてタコマ橋の設計に最大限に生かされた最新の理論は、橋梁技術者のイカロスの翼(巻頭言より)であった。翼を得たイカロスが有頂天になり太陽の熱に焼かれ墜落したように、新理論に熱中した技術者には過去の事故などが鳴らしていた警鐘が耳に入らず、タコマ橋の設計で越えてはいけない一線を越えてしまった。
 今日、世界最長の吊橋である明石海峡大橋など現代の長大吊橋は、タコマ橋の惨事を乗り越え、新たなステージに到達した結果である。言い換えれば、新しいステージにある現代の吊橋は、全てタコマ橋の影響を受けたものであり、同橋の航跡の中に位置する。

 本書は、このような視点の下、タコマ橋の落橋を分岐点とした吊橋建設の歴史を幅広く、かつ、詳細に記載した原著「In the wake of Tacoma(著者:リチャード スコット、出版:ASCE)」の全訳である。有名な橋のみならず他書では扱われていない日本では無名に近い橋まで膨大な橋梁数を網羅し、その技術的特徴から歴史的な立場まで踏み込んでおり、貴重な情報が集積されている。

 「温故知新は技術の世界においてもまさに然りである。そうした意味において、わけても日本の橋梁界の将来を担うような若い技術者の皆様には、本書を是非とも座右の書として備えていただき、折にふれて叡智の拠り所として活用いただくことをお薦めする次第である・・・・巻頭言(川田忠樹氏)より」

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